黙ってたけどもう書く「僕が耐えてきた理由〜信頼関係の築きと愛想尽きた日」

僕があの人たちに何も言わず、ずっと我慢してきたのには理由がある。 ただ波風を立てたくなかったからじゃない。 知的障がいのあるお兄さんに、安心してお風呂に入ってもらえる関係を築きたかったからだ。 

 そのためには、妹さんの言動にもできるだけ大人の対応をしようと心がけてきた。 ---

 正月に名古屋を一緒に回ろうと誘われ、ルートはこちら任せだった。 ところが道を間違えていたにもかかわらず、僕がナビを見せながら「こっちじゃない」と伝えても、「合ってる」と言い張られた。 結局その言い分に合わせた結果、バスに間に合うかどうかギリギリに。 

それでも言われた言葉は「バス間に合わなかったらどうしようかと思った」。 それ、僕のせいみたいに言うけど

 カラオケでも同じだった。 「予約は任せる」と言っておきながら、予約した時間に文句。 最終的には、僕が最初に押さえていたフリータイムの方が安くついた。 

スイーツパラダイスでは、先払いのシステム。 僕が「先に払ってきますね」と言ったら、「でも時間が……」と小言。 それでも譲って先に払わせてもらったが、終了時間になっても向こうはおにぎりをゆっくり食べていて、僕はその間、グループホームの門限が気になって仕方なかった。 

そしてある時、ボランティアでのやりとりに失礼な対応があった。 それについて、「言うべきことは言う」と伝えた僕に返ってきたのは、 

「そんなつもりじゃなかったって伝えたら？」 

 ……それって、こっちが我慢し続けていれば丸く収まるってこと？ だから言ったんだ。 

「依頼された側が、こちらを迎えるのが普通だし、あの言い方は筋が違うと思う」

 それに対する返答が、さらに驚いた。 

「そういう気持ちがあったから、伝わったんじゃない？」 

 ……いや、全然伝わってなかったし、あまりにも無責任な言葉だと感じた。 

 --- その日の夜、僕は自分の気持ちをLINEで伝えた。 

 すると、 「見返りを求めるのは違う」 「礼儀はあなたの礼儀。他人は違う」 と返ってきた。 

でも、僕には普通に“指摘”してきたよね？ だから聞いた。 

 「他人が違うなら、僕に指摘するのもおかしくないですか？」 そしたら返ってきたのは、 

「何を言っても私が悪いんでしょ」 

「私が悪い、自分が正しいってことだよね」 

 ……そうやって、“被害者の立場”に逃げられてしまった。 --- 僕は、ただ向き合って話したかっただけだ。 共感してほしかっただけ。 でもそれすら届かないと気づいた時、正直、もう限界だった。 --- でも、僕がずっと我慢してきたのは、 ただ穏やかにやり過ごすためではなく、お兄さんとの信頼関係を大切にしたかったから。 そこだけは、どうか、誤解されずに知っていてほしい。